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小督住居図(無銘・京金具師)

商品番号:TB-034

鐔 江戸後期 保存刀装具 桐箱入

40,000円

堅丸形 山銅磨地 鋤出高彫 象嵌色絵 尖り耳 片櫃孔

縦:6.83cm 横:6.30cm

切羽台厚さ:約0.52cm 耳際厚さ:約0.10cm 重さ:123.82g

小督(こごう)住居図。知っておられる方がいるかと思いますが、この画題は平安時代の恋愛を題材にしたもので、小督という美女が平清盛から逃れて隠棲していた住居をモチーフにした図柄です。物語の内容はここでは省きますので、恐縮ですが皆さん自助努力でお調べください。

ということで、恋物語の舞台となった山奥の寂れた住居を描いている本作。山銅地の所々変色した風合いが、物語の演出に一役買っているようです。もちろん、これは経年による自然な色合いでしょう。絵柄自体は山銅に加え、真鍮と赤銅の象嵌、片切彫による彫、そして鑚による打込という各象嵌色絵と彫法の合わせ技で構成されています。技法を凝らしただけの効果はあったのか、その評価は皆さんご自身でご判断ください。・・・江戸後期の本鐔の作者は、寂れた光景にある小督住居はこんな感じですと描いたわけですが、現代人の皆さんたちにとっては、どう映るのでしょうか。

総体に絵柄自体はさほど上手なわけでもありません。緻密さやメリハリも凡庸だと思います。だた、この凡庸さが侘しさを醸し出すために必要なのかもしれません。当作者がそれを承知の上で意図的に作ったのだとしたら凄いことですが、果たして・・・。

形状は碁石形で耳に近くなる辺りで傾斜が強まり尖り耳となっています。面白いのは櫃孔で、山銅地の地金にも関わらず中心(なかご)櫃孔には素銅か山銅による責金が施されています。幕末にもかかわらず刀身が二度入れ替わった可能性があります。そして中心のサイズからして脇指ではなく刀の可能性もありますね。う〜ん、興味深いです。さらに小柄櫃孔にも、実用に際して施した削除跡があります。こちらは責金ではなく凹を作って対処したようです。因みに、右側面の真ん中から下にかけて2〜3箇所、打疵による小さな凹があります。ご報告まで。

鑑定書の極は京金具師・・・京金工を避けたのは鐔だからでしょうか。何とももどかしい極で、作域からすれば水戸系か庄内系としてもおかしくないと思われるのですが、極の見所がどこなのか私には全く判りません。今度、日刀保さまに聞いてみよう。あ、時代は作域と造込からすれば江戸後期とするのが妥当です。