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松透図(無銘・大野)

商品番号:TB-083

鐔 江戸中期 保存刀装具 専用箱(鎌倉彫)入

70,000円

変り形 鉄槌目地 地透 丸耳 両櫃孔

縦:6.60cm 横:6.50cm

切羽台厚さ:約0.55cm 耳際厚さ:約0.57cm 重さ:85.00g

各辺が少し内側にへこんだ角丸の八角形、よく見れば歪な形状ですが違和感はなくバランスは取れています。やや小振りな鐔ですが、無骨でありながら丸味を帯びた柔らかさもあり不思議な印象です。この柔らかさはぶっとい針金のような丸耳がうねうねと曲がりながら輪郭を形作っているからでしょう。基本、ごっつくて素朴な手作り感にあふれた本作、鑑定書の極は大野・・・特徴そのままを地でいくような造込です。強いていえば、繊細で優美な京透の真逆に位置する造込かもしれません。

意外と見かけない大野極の鐔、現存数が少ないのは、泥臭く実用的な性格ゆえに江戸期の見せる鐔という流れに乗れなかったのかもしれません。制作地は尾張ですから柳生鐔や尾張鐔という陰に隠れて埋れてしまっているだけかも・・・(私の勝手な推測なので信用しないでください)。

本作の図柄は松。どこが松だって?・・・まるで老松の盆栽のようなフォルムをしており、表から見て、左上から右中央まで斜めに雲のように延びているのが松葉の塊、左下の透がない箇所が幹、そこから笄櫃孔の下に枝先がぽつっと一つ。いやはや何ともアバウトで大胆なデフォルメです。これぐらい簡略化してデザインされると、もうアートの領域です。・・・(大野の真の姿は前衛的な抽象派だった!などと妄想が暴走する私)・・・因みに幹の箇所にある鑚で穿ったような凹凹ですが、これは傷や朽込ではなく松皮肌を表現したものです。この所作も大野らしい表現です。

錆色はやや黒みを帯びて朽込や疵もなく良好です。今までの手入れが良かったのか、しっとりした質感もあって素朴な風合いが滲み出ているような印象です。ちょっと補足ですが、本鐔にはこれまた手作り感のある専用箱が付いています。鎌倉彫が施されたこじんまりした箱です。古いものなのか、上蓋がわずかに湾曲して収まりに緩みがあります。ご了承ください。