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六葉菊紋図(無銘)

商品番号:TB-084

鐔 江戸後期 桐箱付

25,000円

竪丸形 鉄地 肉合彫 深彫 小透 金鍍金 角耳小肉 両櫃孔

縦:7.59cm 横:7.40cm

切羽台厚さ:約0.38cm 耳際厚さ:約0.39cm 重さ:101.92g

鐔工の工夫がみてとれる一枚。どこに工夫が施されているのか? 使い勝手の工夫ではなく見え方です。見え方と言っても絵柄の形状ではなく、平地に反射する光の効果を考えたく工夫なのです。光の反射を抑えマットな質感にする鑢目を、六葉と菊紋そして耳意外の平地に施しています。その鑢目は布目です。布目象嵌を施す際の鑢目ですが、本鐔に色絵の痕跡は菊紋以外全くありません。その菊紋は金鍍金であり布目象嵌による色絵でもないのです。じゃー何故、布目鑢を施したのか・・・六葉との対比による視覚効果としか考えられません。肉合彫の滑らかな地肌をした六葉部分は光を反射し、布目鑢を施した平地は鈍く光る。この差異で六葉を際立たせる、という発想でしょう。現在は経年の擦れと馴染んだ錆により、作られた当初ほどの効果はみられませんが、それでも光沢の差は色合いからも十分感じられます。まあ、小手先の所作と言えなくもありませんが、その努力は評価してもよいのかと・・・・。

彫に目を向けると決して褒められたものではなく、結構丁寧な布目鑢とは対照的にアバウトな作行。葉の形状は不揃い気味で、彫口も度合いが一定せず、さも手でほりましたー的な印象を拭えません。一普段低く深彫にした菊紋は溝の隙間がないにしても穿った荒々しい痕跡が残されています。総体に、いい意味で素朴な味わい、悪く言えば拙劣な出来・・・う〜ん、この印象は人それぞれなので、お好みの方は前向きな捉え方を・・・(私は好きです)。

デザインも悪くはないのですが、洗練されたイメージには程遠くやや鈍臭い印象。三つ空けられた小透は、菊紋の陰紋とも捉えられますが、どうでしょうか? 作り始めた当初、菊紋にする予定が彫に失敗したので、透にしてしまった!なんて妄想も考えられないこともありませんね。ぬははは・・・ここまでいうと本工に失礼というもの、平にゴメンナサイです。制作時代は江戸後期と書きましたが、鉄骨らしき所作もあり風合いのイメージでいうのものなんですが、江戸中期としても良いのかもしれません。流派ですか? そりゃもう・・・正阿弥系? わかりません。