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龍図(無銘)

商品番号:TB-085

鐔 江戸後期 桐箱付

10,000円

変り形 鉄地 地透 金布目象嵌 角耳小肉 両櫃孔

縦:7.23cm 横:6.88cm

切羽台厚さ:約0.53cm 耳際厚さ:約0.51cm 重さ:104.39g

俗にいう南蠻鐔の一枚です。南蠻鐔は鋳物ですから見所はどこかとなれば、一般的には絵柄と透の複雑さ、そしてバリ等仕上げの処理でしょうか。画題なり絵柄のデザイン・レイアウトは好みの領域なのでツベコベ申しません。透も螭龍などが絡み合って複雑で見応えある作行が好まれるようですが、これも趣向の問題。本鐔はというと、それほど密なわけではありません。龍がシンメトリーに向き合っているだけで、どちらかといえば大人しい方です。尾が互い違いになっている箇所もありません(正直、少し寂しいです)。

絵柄で一個所気になる部分があります。左右の竜の頭に挟まれた部分(金の布目象嵌で覆われている)・・・この絵柄は一体何でしょうか。拡大してみると、なんだか人物のような・・・首に巻いた布風の形状、右下には左手らしきポッチ。龍に付き物の宝珠ではなさそうだし、う〜ん、仏様とみました。仏様だからといって印象が変わるわけではありませんが、少しだけ愛着が湧きそうです。

こんな目新しくもない南蠻鐔ですが、一つの所作だけは評価しても良いかと思います。小柄・笄櫃孔に施された責金です。ありきたりの南蠻鐔の本作にしては、ちょっと贅沢な赤銅の責金。それも見映えのためではなく実用を考慮した造込です。かなり使用された形跡も認められ、本鐔は実用に即した歴戦の鐔だったのかもしれません。ただし、この責金が施された時期は江戸期なのか、それとも明治期以降なのかは定かではありません。現代に入ってから居合用に使用された可能性もありますのでご留意を。