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六方猪目透真鍮象嵌図(無銘・応仁)

商品番号:TB-098

鐔 室町後期 保存刀装具 桐箱付

130,000円

丸形 鉄地 陰透 真鍮象嵌 丸耳 片櫃孔

縦:7.27cm 横:7.25cm

切羽台厚さ:約0.25cm 耳際厚さ:約0.30cm 重さ:68.86g

応仁鐔と極められた作例のご紹介です。応仁鐔は古いとされます。室町期の作ですから江戸中期以降の作がほとんどを占める鉄鐔の中にあっては最も古く、それだけ現存数も少なく希少な存在です。後世の与四郎鐔や平安城象嵌鐔と一緒してはいけないようです。・・・そんなに大層な代物なのか?と、斜め上から見てしまう偏屈な私・・・特に鉄鐔の時代極は、自分の狭い見識を棚に上げて猜疑心が勝ってしまう悪癖を持っているので、その傾向を加味して本作を吟味してください。

姿はほぼ真丸。大きめの猪目透を同心円状にレイアウトしています。いや〜、よく見れば随分とアバウトな配置。各猪目の間隔が見事なまでにいい加減です。これが古い時代の鐔工のデザイン感覚とも言えますし、雅味のあるデザインと言い換えることも出来なくもありません。悪く言えば無頓着ですが、素朴で無垢な鐔工の所作と思えば古雅な風情も楽しめるということで、デザインの印象は皆さんそれぞれの感覚で評価してください。平地は透以外の空白を埋めるかの如く、露象嵌が表裏全体に施されています。この所作はよく見られる手法ですが、一体どんな意味合いを持っているのでしょう。この点について触れている文献はまだ出会ったことがなく、私にとっては大きな謎です。やはり間を持たせるためのデザインの一つ? それとも、当時は超高級品であった真鍮を使うことによる見栄えの誇張なのか? どなたか答えをお持ちではありませんか? 知っていたらご教示ください。

デザインはさておき、造込は唸るものがあります。板厚は耳際が約3ミリしかなく、かなり薄い造込です。切羽台はそれよりも薄く2.5ミリに届かないほどの薄さで、中低の造込です。もちろん、これだけ薄造りでも耳には必須の鉄骨も現れています。古いとされる造込そのままの姿に、時代に疑心暗鬼の私も無言になります。錆状態もそして色合いもよく、保存状態も時代を考慮すればかなりの健全度。裏面の上部に少し擦れた感じと所々露象嵌の欠落した箇所はありますが、許容範囲どころかよく残っている方だと思われます(気になる方はご考慮を)。この痕跡はおそらく、刀に装着して使用する際に衣服の袖などが当たって出来た使用跡かもしれません。

あとは、形の崩れた小柄櫃孔ですが、これはあからさまな後補の所作。空けられた時代は不明ですが、江戸期に入ってからの所作であればもう少し整った形状になっていると思われ、所有者が自分で空けたのでなければ桃山期以前の所作とみても不思議ではありません。このような鐔ですが、古鐔が好きな方はどんな評価なり印象を持つのか伺いたいものです。・・・ふー、私も勉強不足だなとつくづく思わされる本作、私の手には負えない一枚のようです。