HOME
tsuba symbol

源義家透図(無銘・彦根)

商品番号:TB-102

鐔 江戸後期 特別保存刀装具 桐箱付

350,000円

竪丸形 赤銅地 肉彫地透 象嵌色絵 角耳小肉 両櫃孔

縦:7.24cm 横:6.80cm

切羽台厚さ:約0.48cm 耳際厚さ:約0.42cm 紋部厚さ(最大):0.8cm 重さ:116.52g

正真正銘、鋳物ではない無垢の肉彫地透の本作。鉄地ではありません、赤銅地の塊から彫り上げた当時の高級品です。だからといって、至極の一枚だの唯一無二の最高傑作だ、はたまた滅多に出ない名品だのと誇張するつもりはありません。本当にそうなら、とっくに国宝や指定品に認定されていますし、沸いたように次から次へと出てくるものでもありません。

少し冷静な目で本作を見ていきたいと思いますが、本作のような作例は私があ〜だこ〜だと曰わっても、無意味な感想しか伝えられないのも確かで、上手い下手の評価は趣向の可否も含めてみなさんの高い見識に頼ろうと思います。なので、見たままの形状なり状態の報告を・・・・

肉置の一番厚い箇所は約8ミリもあって、地透の彫口ですからもはやレリーフ鐔と呼んでも良いくらいです。彫をミスったらその時点でオシャカです。実際には修正して仕上げるのでしょうね・・・もったいありませんから(でも超一流金工となると失敗作は世に出しません)。その地金を、もっこもこ、ボッコボコに彫り上げた図柄に金と銀の色絵。鑑定書には象嵌色絵とありますが、正確には焼付色絵です。それにしても煌びやかというか賑やかで豪華な演出ですね。まあ、この手法なり作域が彦根そして宗典らしいといえばそうなのですが・・・激しく入り組んだ情景は定番の作風で、ケチのつけようがありません・・・そういう類のカテゴリなのですから。

画題は源義家。ご存知とは思いますが八幡太郎義家のことで、画題の人物としてはスタンダードです。その義家が弓を引いている構図ですが、的になっているのは木の枝に架けられた鎧。義家の後隣には従者らしき武士が描かれています。この情景から察するに、弓の練習の一場面でしょうか。しかし狙っている鎧の胴には木瓜か花菱らしき家紋が描かれており、何やら意味深い匂いもします。片や義家の胴に描かれているのは上り藤のようにも見えます。・・・家紋にまで話が及ぶともう私の範疇を超えており、頭が混乱してこの画題の人物が本当に義家なのかも疑う始末です。この情景は日本故事に長けた皆さんで論じていただければと思います。

本鐔の状態は写真の通り良い状態を保っています。色絵の剥げ落ちた箇所もほぼ見られず健全な方です。制作時代は江戸後期でしょう。ここまでの作ながら残念なことに無銘ですが、鑑定書では彦根の極が。まあ、そこに極めるしかないのも確かですが、赤銅の無垢からの肉彫・・・上手の作には違いありません。因みに写真ですが、本来ならイメージを高めるために黒バックで皆さんを惑わそうかとも考えましたが、ここは素の本作を伝えるためにいつもの白バックでお見せしています・・・いろいろと粗探しをしてください。