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杉紋透図 無銘 古正阿弥

商品番号:TB-103

鐔 室町後期 特別保存刀装具 桐箱付

220,000円

竪丸形 鉄槌目地 地透 丸耳 両櫃孔

縦:7.42cm 横:7.14cm

切羽台厚さ:約0.40cm 耳際厚さ:約0.42cm 重さ:86.35g

偏屈な私には珍しく、無言で室町期を肯定する鐔のご紹介です。本作、室町後期はある古い鐔。鉄鐔の中では古作と言って良いと思います。古さの証明でもある鉄骨が、耳のあちこちにニョキニョキと顔を出して、どうだと言わんばかりに主張しているようです。古作好きには十分なインパクトがあると思うのですが、こんなのまだまだ甘い方だよなんて言わないでください。私が経眼した中ではかなり古い方に入るもので、中々お目にかかれないものですからちょっと浮かれているわけです。

鉄骨でもわかる通り、随分と擦れて小慣れた風合いが総体に現れています。透のエッジは丸味を帯び、耳は幅がまちまちに・・・その分、槌目地の平地は磨地のような風合いとなり艶やかです。手入れも良かったのでしょう、錆状態や色合いは古さを強調しているようです・・・Good!! 

デザインは杉を大胆にデフォルメした極めてシンプルな構図。それを地透にしただけで、毛彫も施されていません。ただ。長年の擦れによる摩耗で、本来はあった毛彫の線が消えてしまった可能性はありますが、どこを精査してもそれらしい痕跡は確認できず、生時から透以外何も手を加えていない簡素な造込と思われます。杉紋だけですからね、あまりにもシンプルというか(古甲胄師の小透も似たようなもので、これで良いのです)・・・しかしこれが古作の良い点でもあり、見せる鐔ではなく実用の鐔の姿でもあるわけです。小柄櫃孔と笄櫃孔は確実とは言えませんがが後補と考えるのが妥当なところ。最初から空けられていたとした小柄の方でしょうか。笄櫃孔は少し形が崩れた感じがしますので、ちょっと無造作に思えます。

こんな何の変哲もない板鐔ですが、古作の所作がふんだんに現れている姿は、また違った愛着というか愛おしい気持ちにもなります。思わずナデナデしたくなります。しかし本作は古美術品、後ろ髪を引かれる気持ちを抑えて、末長く愛蔵していただける方に収まっていただければ幸いです。