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kozuka symbol

大黒天図(無銘・古金工)

商品番号:KZ-019

小柄 室町後期 保存刀装具 桐箱入

40,000円

赤銅七子地 高彫 金ウットリ象嵌

長さ:9.84cm 幅:1.51cm 高さ(紋部最大):0.81cm 重さ:31.22g

ちょっとゴチャゴチャして判りづらいかもしれませんが、大黒天をあしらった本作。袋を担ぎ米俵の上で小槌を突き出しています。左側には二俣大根と砂金包、右側にも砂金包を配してこれでもかと豊かさを表現しています。如何せん、大黒様の顔が擦れのため認識しづらいのがちょっと玉に瑕で、他の絵柄は意外にフォルムがしっかりと残っているので少し残念です。両脇の砂金包なんか結構健全でフォルムも魅力的です。

その紋のポイントごとに金のウットリを施し、雅味ある風合いを醸し出している本作ですが、それほど金板が剥がれ落ちているわけではなく十分に残存しています。ウットリを施した箇所が、紐だったり筋だったりなので大きく剥がれてしまったように見えるだけなのです。その紋の両端に注目です。この地板と紋が笄だった痕跡を明瞭に残しているのが確認できます。左側が蕨手、右側が木瓜の面影を残した筋がはっきりと残されています。そこから両端までを打ち延し七子地を蒔き直しています。そうです、この小柄は笄直の典型作。これほど判りやすい所作はありませんね。

紋は大黒天を頂点に彫深く陰影もあり彫口は悪くありませんが、少し緻密さに欠けて見えます。しかしこれは擦れの影響がつくよく、生の頃はそれなりに手に入った上手作だったと思われます。後藤家の作としても良さそうな作域ですが、鑑定書の極は古金工。古金工とされた要因は何だったのでしょうか・・・顔の彫口でしょうか、それとも絵柄全体の構図、あるいは赤銅地の色合いかもしれません。イメージでいうのもなんですが、総体の見え方や風合いが後藤家の作風と品格に及ばないと日刀保さまは判断したのだと思います(かなり適当な推測)。

造は二枚貼合構造、地板は嵌込方式で笄を切断して作り直しています。もちろん、無垢の高肉彫です。状態は両端の七子地が時代相応に擦り減っており、特に小口側は七子粒が微かに確認できる程度。加えて小口の刃方側の地板が少し浮き上がっています。ただ動いたりする状態ではなくしっかりと固定されています。長年の経年劣化のせいでしょうか。室町後期の笄直小柄ですから、少しは大目に見てやってください。