HOME
kozuka symbol

用具図(無銘・古金工)

商品番号:KZ-020

小柄 桃山期 保存刀装具 桐箱入

30,000円

赤銅七子地 高彫 本体裏哺金

長さ:9.68cm 幅:1.46cm 高さ(紋部最大):0.67cm 重さ:31.00g

紋の向きが右を向いています。これは笄直の可能性があるかなと地板を見れば、あらら、随分と荒っぽい直し方をしたものです。本来なら幅の面はゆるい弧を描くのですが、そっちこっち歪な起伏を見せています。なんだ? 地板を削り直したのか? 額内の中心線付近は小口・中央・戸尻側とも削った痕跡ではなく摩耗による自然な擦れ。しかし小縁付近の際端は全周にわたって不揃いに削った痕跡が見られます。この所作は笄を加工して小柄の額に嵌め込むために削ったのは明らかです。それにしても、もう少し丁寧にできなかったのかアバウトな工作です。まるで使えればいいや!といった手合いです。お陰様で笄直の正体を知ることはできましたが・・・ここまでやられると、削った後に七子を蒔いたのかもわからず、下手をすれば削ったままの状態で本体に組み込んだ可能性すらあります。そうであれば、ある意味、貴重な作例ということにもなりますが・・・とうぜん、こういう作例だってありますよの類ですが。

この紋、笄直とはいえ実は据紋の可能性があります。地板の紋部は形状に合わせて土台のように作り、その上に別に作った紋を鑞付したように見えます。所々にその合わせ目というか隙間らしき筋が見えます。しかしこの筋はウットリを施すための所作だったかもしれず、一概に鑞付とは決めきれません。現状では本作に飾色はなく無赤銅の状態ですが・・・この所作を考慮すると制作時代は桃山期または江戸最初期のどちらか・・・鑞付でなければ室町後期まで時代をあげても良さそうです。しかし鑞付であれば、江戸最初期に極めるのが妥当でしょう。私は決めきれないので、安易を承知で中間の桃山期としておきます。

状態ですが、表は述べた通り杜撰な工作と擦れでツルツルで歪な地板状態。本体と裏面は哺金を施していますが、小口と戸尻側に擦れによる剥がれは一個所ずつあり、小縁も所々擦れが見られます。総体に満身創痍とはいえませんが、やや疲れた状態かもしれません。それでも、打疵や曲がり凹となどはありません。因みにこの画題となっている用具というのは何の用具なんでしょう

金工が使うものなのか、茶会で使うようなものなのか・・・