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枝木瓜紋図(無銘・古金工)

商品番号:KZ-023

小柄 桃山期 保存刀装具 桐箱入

47,000円

赤銅七子地 金紋 象嵌色絵 裏哺金

長さ:9.71cm 幅:1.46cm 高さ(紋部最大):0.74cm 重さ:33.18g

ズシっとかなりの重さを感じる本小柄。紋は圧出(へしだし)された金紋(無垢)ですが、それが重いわけではありません。重さの要因は本体の構造にあります。造は二枚貼合構造で地板嵌込方式。この地板(額内)は七子地の擦れ具合からしてかなり古い作ですが、本体は江戸中期以降に作られた厚みのあるしっかりとした造で、この本体が重いわけです。

地板から見てみると、元は笄だった可能性があり紋際で七子粒の様相が変化しているように思えます。金紋自体も右の枝口から左方向の向きになっています。見所はこの金紋の据え方で、どうやら紋を据える土台を作り、そこへ目貫のように圧出した紋を被せているようです。金の足(根)を省いて材料を削減し、なおかつ足がなくとも据付けられるという工法のようで、私にとっては初見の所作。うーん、珍しいです。

本体の造は二つの見方があって、その一つは赤銅地に哺金(ふくみきん)を施した所作。もう一つは山銅か素銅の地金に漆のような媒体で哺金を施した所作。擦れた箇所に黒い下地が見え隠れしていますが、これが赤銅の色揚げによる痕跡なのか漆状の媒体の痕跡なのかがはっきりしません。こればかりはスペクトル分析で確認するしかないようで、検査する資金のない私にはお手上げです。ただ、金の擦れをよくみると銀色のような色合いのところもあり、それを信じるならこの哺金は銀鑞(ぎんろう)による色絵の可能性が高いと思われます。

これらのことから、本作は笄直(こうがいなおし)の可能性が高く、桃山期頃の笄を江戸中期頃に小柄に仕立て直したと推測しています。状態は地板が古いので七子はすべすべ状態、本体も頻繁に使用された箇所の擦れが激しく至る所に銅色が露呈しています。打疵も棟方の側面右寄りに数カ所固まって確認できます。

紋の画題は木瓜紋に枝を組み合わせたデザイン。枝を絡ませてデザイン性を高めたとはいえ、木瓜紋は寺社仏閣なども使用した普遍的な紋ですから金工の発案作で作り置きの作かも知れません。しかし、贅沢な金紋ですからやはりこの家紋を使用した武士の注文作とみたほうが自然な気がします。