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kozuka symbol

船上昼寝図(無銘)

商品番号:KZ-026

小柄 江戸前期 桐箱入

30,000円

赤銅波彫地 高彫 金銀色絵

長さ:9.56cm 幅:1.48cm 高さ(紋部最大):0.65cm 重さ:24.54g

随分と悠長なもので、漁師が船上で片肘をつき昼寝をしています。あ〜あ、やってらんねーよ!と投げやりな情景ではなく、荒れる海が静まるのをのんびりと待っている情景でしょうか。背景の波はかなりうねって波立っています。左下には磯岩があるしぶつかったら大変、よくまー昼寝など出来ること・・・と、リアルに考えないで、これは一種の揶揄であって、慌てず状況をよく判断しろという教示でもあるのです(んなこたぁ〜言われなくとも判りますよね、失礼しました)。

情景を見事に表現したこの彫口、褒めたいです。特に波の表情は、荒れ狂う波濤ではなくウネって波立つ様子。この程度なら船にいても安全ということでしょう。その背景の中央に船を配して、間を持たせるためか左下に磯岩を描いています。船上には投げ出した櫂、そして昼寝をする漁師。構図的には良いバランスです。その紋に金と銀の色絵を施し、波は無赤銅のまま。地金は思った以上に黒く、紋のレイアウト、作域からは後藤に極めても良いのかもしれません。ただ、七子地ではなく波彫地なのがちょっと引っかかりますが、江戸期に入ってからの後藤作には珍しい作域ではありません。でも、やっぱり、ちょっと逃げて、古金工としたほうが無難なのかもしれません(むふぅ〜)。

本体は一般的な横のサイズよりやや広め、画角一杯に彫もあるので存在感があります。造は二枚貼合構造で、地板嵌込ではなく表板そのものに彫を加えており、江戸最初期から江戸前期以前の造込で制作時代は江戸中期以降に下がることはありません。紋は当然、裏打出で横からのフォルムがなだらかであることもそれを示しています。色絵は金銀の焼付でやや擦れが見られますが、本体に目立つ疵はありません。小口に割れが生じたのか補強していますが、これが返って見映え的にもよく好感が持てます。