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kogai symbol

藻貝図(無銘・古美濃)

商品番号:KG-003

笄 室町後期 第20回重要小道具 『古笄』(池田末松・三宅輝義著)所載品
専用桐箱入(寒山箱書)

1,200,000円

赤銅七子地 高彫据紋

長さ:23.4cm 幅:1.10cm 高さ(紋部最大):0.51cm 重さ:36.35g

見る者を古の時代に誘う姿・・・言葉ではなく直に触れてほしい作です。独特の細身の姿は膨よかさと丸味を帯びて気品さえ感じられ、手にするほどに惹かれてしまう魅力を感じます。例えるなら女性美が重なる輪郭・・・魅惑の笄です(些か意を脱した言葉をお許しください)。

画題は藻貝図。額内に貝と藻の組み合わせをバラバラに置いただけのレイアウト。一見、脈絡のないレイアウトに思えますが、決して無頓着に配したわけではないようです。藻貝同士の間隔といい、サイズの強弱も含めてそのバランスは十分に考慮されているのがわかります。味わいのある小さな部品をポツポツと配しただけで色絵もない無赤銅の本作、単純に素朴という表現では片づけられない古雅な見映えであり、計算された優美な作位を印象付けているようです。

そんな本笄、第20回の重要小道具で高名な著書『古笄』にも紹介されている掲載品。極は古美濃、室町時代、そして高彫据紋と記載しています。正直、この極には拍手を送りたいと思います。通常、古美濃なら鋤出高彫と思いきや、指定書には高彫据紋の文字が(箱書を書いた寒山氏も知ってか知らずか、単に高彫だけ)・・・確かに本笄の紋は据紋(おそらく鑞付)です。この所作を当時の審査員たちは据紋と鑑定し、お茶を濁すことなく据紋と明記したことはあっぱれです。ここ最近の鑑定は無視しているのか、あるいは見破れないのか、余程の所作(隙間があるなど)が確認できない限り一様に高彫で逃げている気がします。天下の日刀保様です、鑑定の質が下がったわけではないでしょう。でも、高彫なのか鑞付据紋なのかの区別ぐらいは鑑定・記載して欲しいものです。鑞付の技術は室町期以前よりありますが、刀装具に限っては時代や流派の極に関係ないとは言えないのですから・・・。

細身で独特の希少な姿からは、時代を室町中期としたいところですが、敢えて室町後期としました。そこまで古い作例はほぼ皆無あり、室町中期まで時代を上げる特徴と所作も見出せないからです。指定書にある室町時代という極ですが、おそらくこの極も同じ趣旨で逃げの極です。『古笄』の中でもやはり室町時代とあるだけ・・・確かに古く見える、しかし室町中期まで上げられるのか? 逆に桃山期までは下らない、そんな感じではないかと推測しています。