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杖に払子図(無銘・後藤)

商品番号:KG-013

笄 江戸中期 保存刀装具 桐箱入

120,000円

赤銅七子地 高彫 色絵

長さ:21.4cm 幅:1.21cm 高さ(紋部最大):0.41cm 重さ:35.88g

杖と払子(ほっす)を画題とした本作。輪宝もそうですが、刀装具の中では仏具をテーマとするものが意外に多いことに気づかされます。当たり前ですか、神仏は武士社会と深く関わっているのですから。でも本作のフォルムは見方によっては采配と鞭(馬具)にも見えなくもありません。まあ、どっちもどっち、共に武士に関わるものであり、日刀保様の極めた画題を正解としましょう。

本笄、ちょっと変わった造込をしています。額内は地板嵌込方式で紋は鑞付据紋、所作がきれいです・・・七子の蒔き方も崩れはなく粒も微細で極めて端正に蒔いています。半欠けの粒もなく、ここまで整えるとは見事です。変わっているのは小縁の処理。小縁と蕨手そして木瓜をぐるっと一周取り囲んで一体化しています。そこに金色絵を施し、さも威厳に満ちた煌びやかな額縁の完成です。高僧が使う仏具を遇らうのですからこれぐらい飾り立てても驚くことはありません。ただ、主役のはずの杖と払子は色絵のない無赤銅・・・う〜ん、やはり神聖なものには色はつけない?・・・私のような素人目にはこのデザインコンセプトを理解するには修行が足らないようです。まあ、あまり深く考えずに、画題よりも本体の造込をアピールしたかったと思えば良いわけです。それを示すかのように蕨手より上から耳まで、なんと七子が蒔かれています。この造込と所作、初見ではありませんが経眼したのは数例のみ、かなり珍しい造込です。いかに丁寧に作ってその技術を売りにした作であるかを、見る者に植え付ける効果は十分過ぎるほど伝わると思います。実際、七子粒の処理も彫口も巧みで繊細な上手作です。

制作時代は江戸中期頃、鑑定書の極は後藤とあります。後藤ですか・・・私が経眼した類例は古金工の作。古金工と言っても江戸初期の作でしたが・・・つまり、この手の作域は古金工にも後藤にもあるということになりますが?(この問題を突っ込むとカオスの領域にハマるので脱却します) 図柄の置き方を見れば後藤に極めるのも当然で無理はありません。後藤家も江戸期入ってからはかなり柔軟で掟に嵌らない作が無いとも言えず、ここはお上に御意! というわけで、こういう後藤もありますという希少な類で愛蔵するのも良いかもしれませんね。