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葡萄図(無銘・古金工)

商品番号:MK-001

目貫 室町後期 保存刀装具 桐箱入

40,000円

赤銅地 容彫 金銀露象嵌

表目貫/長さ:3.80cm 幅:1.36cm 高さ:0.48cm 重さ:3.23g

裏目貫/長さ:4.01cm 幅:1.36cm 高さ:0.47cm 重さ:3.34g

薄い地板、強く打ち出された圧出、腰が低いながらもククリ(際端の窄まった形状)もあって、文句なしに古い目貫のフォルムをしている本作。両目貫とも際端の内側の一部に欠損が見られるものの、見応えのある古い所作が補って余る風合いを見せています。赤銅地の地金も漆黒の黒さ、当時の上手作と言って良いでしょう。足は生のようですが表目貫は欠損している状態、支金は最初からなかったようです。・・・いい目貫です。因みに金の露象嵌以外に銀の露象嵌ががフォルムの外周に沿って施されています。

鑑定書の極は古金工で私も同感。後藤家を彷彿とさせるなどとは言いません。何せ作行がまるっきり異なっています。特に筋が浮き出るような葉脈の彫口は後藤家には存在しませんし、山高く谷低くと言った作域でもなく、どちらかと言えばなだらかな高低差です。でもデザインの取り方は抜孔も含めて動きがあり、決して安易で下手なわけではありません。

見所がそれなりにある本作ですが、大きな疑問というか謎めいた所作があります。この謎、面白いというより興味が先に立ちます。それは葡萄の実に施された色絵です。個々の葡萄粒のてっぺんに金色絵が施されていますが、よく見ると露象嵌風の小さな七子粒のようなドットが端の方に打ち込まれています。一個の粒の中に二つの点が存在しているのです。普通に考えれば、七子粒風のドットの上に金色絵を施すと思われますが、どういうわけかズレて象嵌されています。さらなる疑問は、裏行に飛び出した象嵌の痕跡です。裏行の飛び出した突起の痕跡を表面の位置に照らし合わせると、何とそこは七子地風の穿った箇所ではなく、金色絵が施された付近に当てはまるのです。そんでもって3つ目の疑問が謎に謎を呼びます。表目貫の裏行に飛び出した突起が金色に光っているのです・・・なんだ? 突起に色絵? よく見れば金無垢の棒が飛び出したようにも見えます。俄には信じたくありませんが、表から金無垢の象嵌を打ち込んで飛び出してしまった可能性があるのです。しかし、裏目貫のそれは銅色です。一体どういうことなのか? 思わず金の突起を裏から押し出したくなる衝動に駆られます(間違ってもやりませんのでご安心を)。

さ〜て、この所作をどう消化したら良いものか・・・一つの可能性として、この露象嵌は後補の所作とすれば最初の2つの謎は一応解消されます。本来は七子粒風の穿ったドットがあって、その後に色絵を施す際に七子地風のドットの位置では都合が悪いので粒のてっぺんに安易に色絵を施してしまったと考えれば辻褄が合います。この妄想、どう思います? ただ、これが正しいとしても3つ目の謎は闇の中です。突起が金無垢ではなく単なる色絵だとしても、何故色絵を施したのかは不明のままです。まさか、金無垢に思わせるために意図的にやったとは考えにくいのですが・・・初見の謎の所作に狼狽える私がいます。どうか皆さん、謎解きに参加してください。これはという見解を教示してくれて尚且つ本作の落札者の方にはちょっとサービスしちゃおうかな(期待し過ぎに注意を)・・・ふっふっふっ。