HOME
menuki symbol

源氏車に藤花図(無銘)

商品番号:MK-007

目貫 室町後期 桐箱入

45,000円

赤銅地 容彫

表目貫/長さ:4.23cm 幅:1.66cm 高さ:0.62cm 重さ:5.10g

裏目貫/長さ:3.85cm 幅:1.72cm 高さ:0.64cm 重さ:4.59g

源氏車に藤花を覆う本目貫の構図、適当な画題を見つけられずそのままを表記しましたが、この絵柄には何の意味が込められているのでしょうか。藤花ではなく夕顔の花なら、夕顔図ということで源氏物語に因んだ留守模様の画題なのはわかるのですが、藤花ですからね、困りました。藤花に関係した巻はあるようですが文学に疎い私には理解できず・・・藤花が絡まっている絵柄からは、やはり源氏物語に関係した物語なのでしょうか?

その構図は表裏目貫で異なり、共に藤花の展開に広がりと躍動感がありよく考えられた構図です。ただ藤花の向きからは表裏目貫の区分けが難しく、大きさと見た目の印象から推測した次第です。本来の向きは逆かもしれませんのでご留意を。彫の作行はそれほど細密ではありませんが、大胆な彫口がダイナミックな陰影を作り出し好印象です。赤銅の色合いも真っ黒な上作の部類。制作時代は地金の厚みが少し気になりますが、裏行と側面総体のフォルムから室町後期とみており、作域からは後藤本家ではなく古金工と鑑るのが妥当だと思われます。(審査に出せば、罷り間違って乗真なんてつくかもしれませんが、私は無責任を貫きます。)

その裏行の圧出はかなり責め込んでおり、想像通りの所作。足(根)と支金は幕末頃に付けられた痕跡が確認でき全くの後補であり、作られた当初は足は付いていなかったと思われます。側面(左右)から見ると十分すぎるほどの裾際のククリ(裾を絞り込んだ形状)が認められ、古い造込の特徴が見てとれます。江戸中期以降の若く華やかな色目貫も良いですが、無赤銅で渋く存在感のある本目貫はまた違った良さがあるものです。特に時代の上がる古雅な風合いは大きな魅力の一つです。