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menuki symbol

駒引き図(無銘)

商品番号:MK-033

目貫 後期 桐箱入

17,000円

山銅地 容彫 金銀素銅色絵

表目貫/長さ:3.19cm 幅:1.34cm 高さ:0.47cm 重さ:5.00g

裏目貫/長さ:3.06cm 幅:1.58cm 高さ:0.52cm 重さ:5.14g

思わずニヤッとしてしまう光景を描いた目貫をご紹介しましょう。裏目貫にご注目・・・飾り立てた馬を馬廻役がこっちに来いと強引に牽いていますが、馬は嫌だと言わんばかりに首を背けて抵抗しています。その光景を見て、大変だね〜と他人行儀に面白がって笑っているのが表目貫。ちょっとしたコントですね。思うようにいかなことを揶揄したような画題は多々あると思うのですが、いろいろ調べても判りませんでした。でも、言いたいことは十分に伝わってきます。

注目すべき画題の見所は、両者の姿というか描写設定です。表目貫は牛車に身なりの良い公家風の男。笑って踏ん反り返っています。その牛車の中央には蔓花が彫られており、これはまさに夕顔図・・・おそらく時間の経緯を表していて、動くまでのんびり待とうよと暗示しているようです。しかし、夕顔図は本来、哀愁を描いた物語ですから、これを喜劇に応用するとは大胆な発想です。方や裏目貫の男はさも使用人風の馬番でしょう。馬は殿様が乗るような豪華な飾りをつけています。この両者の対比が本作の趣旨なんでしょう。公家と使用人、馬と牛(車)、そして静と動・・・やりますねー、韻を踏んだ高度な構成、お見事です。

状態は目立った擦れもなく良い状態です。地金は結構黒いので赤銅に見えますが、山銅と思われます。フォルムは複雑ですが、細かい箇所まで丁寧に彫り上げており思った以上に頑張っています。そこへ金銀素銅の色絵を施し見映えは豪華な造込。裏行は分厚い地板の弱い圧出ですから、色絵の所作を考慮すれば時代は江戸後期、おそらく幕末頃の水戸金工の作ではないかと推測していますが、極は皆さんの妄想次第、または日刀保さまの裁量を受けるかしてください。・・・しっかし、珍しいユニークな目貫です。