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fuchigashira symbol

狐の嫁入り図(無銘)

商品番号:FG-007

縁頭 江戸後期 桐箱入

23,000円

山銅七子地 高彫 金銀色絵

縁/縦:3.78cm 横:2.13(紋部最大:2.28)cm 高さ:1.21cm 重さ:17.91g

頭/縦:3.50cm 横:1.69cm 高さ:0.80(紋部最大:0.88)cm 重さ:12.37g

一見、赤銅地の地金に見えますが、本作は山銅地の縁頭です。地板を内側から打ち出して盛り上げ、そこへ高彫(毛彫)を加えて紋を彫り上げています(これが一般的な高彫の手法ですが、高級な上手作になると無垢の肉置から彫り上げた作もあります)。本作、彫の作行きは悪くはないのですが、施された色絵がやや擦れているため少し雑多な印象に映ります。紋自体の描写が細かいせいもあるでしょうね。よく見れば動きまで表現されていて、物語の描写はそれなりに判別できます。

画題は「狐の嫁入り」・・・どこか惹きつけられる画題です。登場人物(狐)は、新婦に新郎、仲人?、物(料理?)を運ぶ仲居、嫁入り道具らしき物を運ぶ従人、合わせて11人(匹)。舞台となる場所は、「頭」の上部に鳥居が見えるので神社ですね。性別がわかるように服装を描き分け、腰に差した脇指も描いています。一人だけ羽らしいものを担いでいるのですが、これは一体なんでしょう? 「縁」の中央には松竹梅の生け花が祝事を演出し、紅白の幕も描かれています・・・顔はどれも狐顔(魅惑の輪郭、これが良いのです)、お嫁さんは角隠しですぐに彼女とわかります。因みに、この光景は「狐の嫁入り」ではなく「祝言狐の婿入」かもしれません。ほとんど似た図が「祝言狐の婿入」として文献に紹介されています。ま、どっちでもよいのですが狐の嫁入りの方が画題としてはわかりやすいと勝手に決め込んでいます(お許しを)。

制作時代は江戸後期、上手作でもなく下手作でもない中級品といった作域です。もちろん無銘なので流派の推測は全くおぼつきません。ご容赦ください。目立った疵はありませんが、時代相応の擦れはあります。かなり責め込んだ裏からの打ち出し痕は却って好印象で、見所の一つかもしれません。